看護師がこれから取得したい資格!スキルアップで日々の業務にやりがいを。【前編】

query_builder 2022/02/03
コラム
009_eye

スキルアップを目指す看護師が取るべきプラスになる資格をご紹介。日々の業務にやりがいを感じないや同じことの繰り返しに満足できない。もっとやりがいのあることをできるようになるためにの資格をまとめました。

医療・福祉・介護専門の人材紹介会社を利用して首都圏で就職・転職のご相談は、看ゴシエイトにおまかせください。東京で看護師を中心に医療・福祉・介護の就職活動を応援しております。

家事・育児に余裕がでてきて、空いた時間を有効活用するためのパート求人も掲載中です!

009

看護職で資格を取得するメリット

看護師資格以外の資格を取得することは看護師として有利にキャリアアップ・スキルアップを実現できる近道といえます。資格を取得することで以下の3つのメリットが得られます。

1.特定の専門分野のスキルが身に付き業務の幅が広がります。業務の広がることで、より多くの経験をすることが可能になります。

2.資格手当を付与する職場もあり、継続的に得られることで給与のベースアップになります。また指導者として求められる資格を取ることで管理職への昇進にも期待が持てます。

3.転職・再就職のとき、資格があることでスキルを評価され有利に就活を進められる可能性があります。


今回は看護師のスキルアップに役立ちそうな資格をご紹介します。

認定看護師(*)

認定看護師とは、ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用いて、あらゆる場で看護を必要とする対象に水準の高い看護実践のできる看護師のことです。看護現場において実践・指導・相談の3つの役割を果たすことで、看護ケアの広がりと質の向上を図ることに貢献することを期待されています。2021年12月時点、21分野22,577名の認定看護師が全国で活躍しています。


認定看護師に求められる3つの役割

[実 践] 個人、家族および集団に対し、熟練した看護技術を使い高い水準の看護をすること。

[指 導] 看護実践を通じて、他の看護職に対して指導を行うこと。

[相 談] 看護職に対しコンサルテーションを行うこと。


*認定看護師資格は日本看護協会の認定資格です。

認定看護師のある特定の看護分野には現在21の分野がありますが、日本看護協会から2018年11月に「新たな認定看護師制度設計」が公表され、2019年2月に認定看護師規程が改正され、19の分野に再編されました。

21の分野の認定看護師をA課程と表され、新たに再編された19の分野の認定看護師をB課程と表されています。

認定看護師の特徴 

認定看護師の仕事は、先に述べた3つの役割が大きな特徴になります。看護の現場における実践のスペシャリストといえます。患者やその家族に対して質の高い看護ケアを提供したり、専門知識を持つことで、後輩の指導にあたることもできます。重要な仕事を担いキャリアを積んでいけるので、役職に就くなど昇進のチャンスもでてきます。


認定看護師になるには

1.日本国の看護師免許を持っていること。

2.実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)あること。

3.認定看護師教育機関を修了していること。(入学試験有)
A課程:6か月以上1年以内・600時間以上
B課程:1年以内・800時間程度+特定行為区分別科目における実習の時間165時間程度

4.認定看護師認定審査に合格すること。
A課程認定看護師教育機関を修了した者に対する認定審査は2029年度で終了となります。
B課程認定看護師教育機関を修了した者に対する認定審査は2021年度から開始となります。


認定看護師を取得後も5年ごとにレベル保持確認のための更新審査を受ける必要があります。

認定審査について 

認定審査は毎年10月に行われています。試験会場も各都道府県に1か所設けられています。

受験費用は51,700円(税込)


審査の申し込み方法は、3つの手続きをすべて行う必要があります。

1.WEB申請『資格認定制度 審査・申請システム』

2.審査料振込

3.書類提出(看護師免許証・認定看護師教育機関の修了証・履歴書・特定行為研修修了証*)
*特定行為研修修了者のみ提出


試験内容 

筆記試験(マークシート方式・四肢択一式)は一般問題20問と状況設定問題20問の合計40問になります。試験時間は100分になります。

出題範囲は共通科目を含めた各認定看護分野の教育基準カリキュラムになります。

合格基準

150点満点とし、A~Cの3段階で評価され、A、Bは合格、Cは不合格となります。

・120点以上:A(合格)

・105~120点未満:B(合格)

・105点未満:C(不合格)

009_01

認定看護分野一覧 (日本看護協会 新たな認定看護分野一覧より一部引用)

感染管理 

疫学、微生物学、感染症学、消毒と滅菌、関係法規などに関する専門的知識を基盤に、施設の状況に合った効果的な感染管理プログラムを構築し、患者、職員など病院に関わる人を感染から守る役割です。

・医療関連感染の予防・管理システムの構築

・医療管理感染の予防・管理に関する科学的根拠の評価とケア改善

・医療関連感染サーベイランスの立案・実施・評価

・身体的所見から病態を判断し、感染兆候がある者に対する薬剤の臨時投与ができる知識・技術


がん放射線療法看護 

放射線療法を受けるすべての患者を対象に、苦痛なく安全に治療が受けられるよう支援する役割です。

・放射線治療を受ける対象の身体的・心理的・社会的アセスメント

・再現性確保のための支援

・急性期及び晩期有害事象に対する症状マネジメントとセルフケア支援

・医療被曝を最小限にするための放射線防護策、安全管理技術


がん薬物療法看護 

放射線療法を受けるすべての患者を対象に、苦痛なく安全に治療が受けられるよう支援する役割です。

・放射線治療を受ける対象の身体的・心理的・社会的アセスメント

・再現性確保のための支援

・急性期及び晩期有害事象に対する症状マネジメントとセルフケア支援

・医療被曝を最小限にするための放射線防護策、安全管理技術


がん薬物療法看護 

抗がん剤の治療を受けるすべての患者を対象に、薬物療法に対する不安解消・副作用対策など支援する役割です。

・がん薬物療法の適正な投与管理とリスクマネジメント、暴露対策

・がん薬物療法に伴う症状緩和

・自宅での治療管理や有害事象に対応するための個別的な患者教育

・患者・家族の意思決定支援と療養生活支援


緩和ケア 

病気の種類や時期に関わらず、すべての患者・家族の「つらさ」を和らげられるよう支援する役割です。

・痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題のアセスメント

・全人的問題を緩和し、QOLを向上するための症状マネジメント

・家族の喪失や悲嘆への対応


クリティカルケア 

内科系、外科系、発達段階を問わず、重症な患者に対する急性期における看護をする役割です。

・急性かつ重篤な患者の重篤化回避と合併症予防に向けた全身管理

・安全・安楽に配慮した早期回復支援

・身体所見から病態を判断し、侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、持続点滴中の薬剤(カテコラミン、ナトリウム、カリウム又はクロール、降圧剤、糖質輸液又は電解質輸液、利尿剤)の投与量の調整を安全・確実にできる知識・技術


呼吸器疾患看護 

呼吸器疾患を持つ患者に対して病気の時期に応じた看護を行い、患者とその家族に対して自己管理できるよう効果的なケアを支援する役割です。

・呼吸症状のモニタリングと評価、重症化予防

・療養生活行動支援及び地域へつなぐための生活調整

・症状緩和のためのマネジメント

・身体所見を病態判断し、侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術


在宅ケア 

・生活の場におけるQOLの維持・向上とセルフケア支援

・対象を取り巻くケアシステムの課題に対する解決策の提案

・生活に焦点をあてた在宅療養移行支援及び多職種との調整・協働

・意思決定支援とQOLを高めるエンド・オブ・ライフケア

・身体所見から病態を判断し、気管カニューレの交換が安全にできる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換が安全にできる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去が安全にできる知識・技術


手術看護 

・手術侵襲及びそれによって引き起こされる苦痛を最小限に留めるためのケア

・手術中の患者の急変及び緊急事態への迅速な対応

・患者及び家族の権利擁護と意思決定支援

・身体所見から病態を判断し、経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整ができる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保ができる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整ができる知識・技術

・身体所見から病態を判断し、持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整ができる知識・技術


小児プライマリケア 

・重篤な状態にある児もしくは医療的ケア児に対する重症化予防

・外来及び地域等のプライマリケアの場におけるトリアージ

・家族の家庭看護力・育児力向上に向けたホームケア指導

・不適切な養育または虐待の予防、早期発見と、子どもの事故防止

・身体所見及び気管カニューレの状態を病態判断し、気管カニューレの交換が行える知識・技術


新生児集中ケア 

・ハイリスク新生児の急性期の全身管理

・障害なき成育のための個別ケア

・ハイリスク新生児と親への家族形成支援

・不適切な養育または虐待のハイリスク状態の予測と予防

・身体所見及び気管カニューレの状態を病態判断し、気管カニューレの交換が行える知識・技術


心不全看護 

・心不全症状のモニタリングと評価、重症化予防

・療養生活行動支援及び地域へつなぐための生活調整

・症状緩和のためのマネジメント

・身体所見から病態を判断し、持続点滴中の薬剤(カテコラミン、ナトリウム、カリウム又はクロール、降圧剤、糖質輸液又は電解 質輸液、利尿剤)の投与量の調整を安全・確実にできる知識・技術

腎不全看護 

・疾病の進展予防、合併症の早期発見と症状マネジメント、セルフケア支援

・腎代替療法の選択・変更・中止にかかわる自己決定に向けた支援

・透析療法における至適透析の実現に向けた支援

・急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理を安全・確実にできる知識・技術


生殖看護 

・性と生殖の機能、その障害とリスク因子に関する知識に基づく妊孕性の評価

・性と生殖の健康課題に対する、多様な選択における意思決定支援

・患者・家族の検査期・治療期・終結期の安全・安楽・納得を守る看護実践とケア調整

・妊孕性温存及び受胎調節に関する指導


摂食嚥下障害看護 

・摂食嚥下機能とその障害の評価

・摂食嚥下機能の評価結果に基づく適切な援助・訓練方法の選択

・誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の増悪防止に向けたリスク管理


糖尿病看護 

・血糖パターンマネジメント

・病期に応じた透析予防、療養生活支援

・予防的フットケア

・身体所見から病態を判断し、インスリンの投与量の調整ができる知識・技術


乳がん看護 

・術後合併症予防及び緩和のための周手術期ケアと意思決定支援

・ライフサイクルの課題を踏まえた、治療に伴う女性性と家族支援

・乳房自己検診、リンパ浮腫等の乳がん治療関連合併症の予防・管理

・身体所見から病態を判断し、創部ドレーンの抜去ができる知識・技術


認知症看護 

・認知症の症状マネジメント及び生活・療養環境の調整

・認知症の病期に応じたコミュニケーション手段の提案と意思決定支援

・家族への心理的・社会的支援

・身体所見から病態を判断し、抗けいれん剤、抗精神病薬及び抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術


脳卒中看護 

・重篤化回避のためのモニタリングとケア

・早期離床と生活の再構築に向けた支援

・在宅での生活を視野に入れたケアマネジメントと意思決定支援

・身体所見から病態を判断し、抗けいれん剤、抗精神病薬及び抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術


皮膚・排泄ケア 

・褥瘡のトータルマネジメント

・管理困難なストーマや皮膚障害を伴うストーマケア

・専門的な排泄管理とスキンケア

・脆弱皮膚を有する個人・リスクがある個人の専門的なスキンケア

・地域包括ケアシステムを視野に入れた同行訪問実施とマネジメント

・身体所見から病態を判断し、褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去及び創傷に対する陰圧閉鎖療法ができる知識・技術