看護チームにおける看護師・准看護師・看護補助者の業務における役割と協働についての基本的な考え

query_builder 2022/05/12
コラム
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近年の社会における看護へのニーズが変化する中で、安全で質の高い看護を効果的・効率的に提供するため、看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関する基本的な考え、各施設において必要な体制整備について目指す姿を示すものとして公開されています。

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日本看護協会ホームページより「2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」が2021年5月14日に更新されました。

このガイドラインは、2019年2月に公開されており、2020年10月の厚生労働省「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインについての一部改正」に合わせて内容を更新されたものです。


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それぞれの役割と協働についての基本的な考え

・安全で質の高い看護を効果的・効率的に提供

・看護職の業務は保健師助産師看護師法をはじめとする法令等により規定(法令遵守)

・看護職に共通の看護実践の要求レベルと責務


上記の3点を基本理念として、社会における看護へのニーズが変化する中で、安全で質の高い看護を効果的・効率的に提供するためあらゆる場の看護管理者及び看護師に対し、看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関する基本的な考え及び各施設において必要な体制整備について目指す姿を示すものです。


看護チームにおけるそれぞれの役割と責任

保健師助産師看護師法で定める看護師及び准看護師の業の違いに基づき、他の法令・通知等も踏まえ、看護チームにおける看護師と准看護師、看護補助者の役割と責任を以下のとおりに整理されています。



看護師

◇◇ 役 割 ◇◇

・多様な場にいる多様な対象者について身体的・精神的・社会的・文化的側面からとらえ、系統的な情報収集を行い、情報を分析・解釈・統合することで対象者の状態を総合的にアセスメントし、その後の変化も予測しながら、健康の保持増進・疾病予防の観点も含め、看護課題の優先順位を的確に判断する。

・対象者や家族の尊厳や権利、価値観を尊重・擁護しながら、意思決定を支援する。

・科学的根拠に基づき、対象者の意向や特性、状態やその変化に応じた計画を立て、看護を提供する。

・各保健・医療・福祉関係職種の役割を理解した上で、対象者の目標を共有し、保健・医療・福祉チームとして質の高いケアを提供できるよう他職種と連携・協働する。


◇◇ 責 任 ◇◇

・対象者の全身状態を総合的に把握した上で、安全に、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話(以下、「療養上の世話」と記載)及び診療の補助を実施する責任がある。

・対象者の全身状態を観察し、変化や反応をとらえながら、必要な場合には、ケアの途中でも自らの判断で方法等を変更や中止(診療の補助については医師に報告・相談し、改めて指示を受ける)し、対象者にとって最も負担が少なく、最良の看護を提供する。

・准看護師への療養上の世話の指示を適切に行う責任がある。

・看護補助者への看護補助業務の指示と指導を適切に行う責任がある。



准看護師

◇◇ 役 割 ◇◇

・看護師等の指示のもと、対象者の状態や変化を観察し、記録・報告をするとともに他職種と協調しつつ、対象者や家族の尊厳や権利、価値観を尊重・擁護し、安楽に配慮しながら安全に看護を提供する。


◇◇ 責 任 ◇◇

・看護師等から指示を受け、療養上の世話及び診療の補助を安全に実施する責任がある。

・対象者の状態を観察し、変化や反応をとらえながらケアを行い、必要な場合には看護師等に報告し、看護師等から新たな指示を受けて対象者の状態の変化に応じた方法で看護を提供する。



看護補助者

◇◇ 役 割 ◇◇

・看護が提供される場において、看護チームの一員として看護師の指示のもと、看護師長及び看護職の指導のもとに、看護の専門的判断を要しない看護補助業務を行う。

・看護補助者は対象者の状態に応じてケアの方法を変更するなどの看護の専門的判断は行わないため、標準化された手順や指示された手順に則って、業務を実施する。


◇◇ 責 任 ◇◇

・看護補助者には自らの役割や責任の範囲を明確に理解し、看護師の指示を受け、安全に看護補助業務を実施する責任がある。



看護チームの体制整理には、チーム内だけではなく、それを管理する役職も重要になります。
看護師と准看護師、看護補助者が協働し、安全で質の高い看護を効果的かつ効率的に提供していく上で、看護管理者の責任です。対象者の状態に応じた最良の看護が安全に提供されているかを管理・監督する責任がある。


看護師と准看護師の協働【基本的な考え】

法律に基づき、准看護師は看護師等の指示を受けて業を実施しなければならない。

保健師助産師看護師法(第6条)に基づき、准看護師は医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて業(療養上の世話及び診療の補助)を行わなければならない。


「療養上の世話」に関する准看護師への指示は、看護師が行うことが望ましい。

・療養上の世話は、看護師の業務独占である。

・療養上の世話を行うためには、対象者の状態を総合的にアセスメントした上で、その人にとってどのような療養上の世話が必要であるのかについての的確な判断を行い、対象者の状態や個別性に応じた方法を検討する必要がある。

・法律上は「准看護師は医師、歯科医師又は看護師の指示を受ける」とされているが、実際には看護師が対象者の状態をアセスメントした上で最適な方法についての判断を行い、准看護師に適切に指示を出すことが望ましい。


看護師から准看護師への指示に「看護計画」が活用できる。

・看護師等から准看護師への指示のあり方に関する法的規定はない。

・個々の対象者の目標や具体的な看護の内容等を記載した「看護計画」は、療養上の世話の実施に関する計画を含んでおり、実際にその計画に基づいて看護が提供される。

・看護計画は保健師助産師看護師法で定める療養上の世話に関する看護師から准看護師への指示に活用できるといえる。


看護師は准看護師に対して適切に療養上の世話の指示を出す責任を負う。

・看護師には、准看護師に対して適切に療養上の世話の指示を出す責任がある。

・看護師は、対象者の状態を総合的にアセスメントした上で、その人にとってどのような療養上の世話が必要であるのかについての的確な判断を行い、対象者の状態や個別性に応じた方法を選択できる能力が求められる。

・看護師が准看護師に療養上の世話の指示を出す際、看護師はこのアセスメントや判断の妥当性についての責任が問われる。

・看護師が的確な判断のもとに指示を出したと示すことができるよう、療養上の世話の指示を出した看護師が誰であるのか、どのような指示を出したのかが記録に残っていることが重要である。

・指示に関する記録の重要性については、診療の補助と療養上の世話に違いはない。


看護師と准看護師の役割の違いを踏まえ、業務を区分する。

保健師助産師看護師法で定める看護師と准看護師の業の違いに基づき、各職種の役割と責任の違いを基に看護師と准看護師の業務(療養上の世話及び診療の補助のみならず、現場で看護職が担う業務全般を指す)を区分するべきである。


看護計画の立案・評価

対象者のアセスメントやそれに基づいて必要な看護の内容や対象者に応じた方法を判断することは看護師の役割である。准看護師は、看護師がこのような判断のもとに出す指示を受け、対象者の状態を観察したり、看護を安全に提供したりする役割を担っている。

看護計画の立案・評価は療養上の世話についての指示を出す立場にある看護師が担うべきである。


看護管理

看護管理者には、その看護部門や看護単位の責任者として、看護師から准看護師に適切に指示が出され、対象者の状態に応じた最良の看護が安全に提供されているかを管理・監督する責任がある。 看護管理の最終責任を負う看護管理者は看護師が担うべきである。

療養上の世話の指示を出す他の役割(リーダー業務等)についても看護師が担うべきである。


訪問看護におけるオンコール対応

利用者の状態の変化に応じて必要な対応を判断し、看護計画を変更することが求められる場合には、看護師が担うべきである。


新人看護師の実地指導者

実地指導者は「新人看護職員の臨床実践に関して指導、評価等を行う」とされている。

看護師と准看護師は異なる役割を担い、業務を行っているため、新人看護師の指導、評価を行う実地指導者は准看護師ではなく看護師が行うことが期待される。


看護師養成所の学生の実習指導

看護師は、対象者の状態をアセスメントし、その変化に応じて必要な看護を判断した上で、看護を計画的に提供することや、准看護師に対する療養上の世話の指示及び看護補助者に対する看護補助業務の指示を出すという、准看護師とは異なる役割を担い、業務を行っている。

看護師養成所の学生の実習指導は准看護師ではなく看護師が行うことが期待される。



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